にゃん愛情日記

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公開開始日:2022.02.28.
内容更新日:2022.02.28.
レイアウト更新日:2023.06.25.
<< 序 >>
 あべ弘士氏の「どうぶつ友情辞典」を読んだ。とても面白かった。何より、恐ろしげな動物たちや失敗談も笑える表現がいい。自分もあべ弘士氏ほど多くの動物たちに長い期間接していたわけではないが、牛・馬・豚、特にネコとは長く生活を共にしてきただけに話題は少なくはない。
 ある観光牧場で馬を扱っていた頃、お客さんに「馬、好きでしょ」と言われたことがある。自分には全くその意識はなく、この「危険な」動物をいかに扱うか毎日必死に過ごしていただけなのだが、その姿が傍から見てうれしそうに見えたのかもしれない。
 近頃、笑っていると「楽しい」と思われる傾向があるように思う。笑っているのは「おかしい」のであって、「楽しい」とは次元が異なる(※)。その意味で自分は動物が「好き」なのかもしれない。自分にその意識がないからこそ。
 そう考えたとき、自分も今まで接してきた動物たちとの”友情”物語を書き残すべきではないかと思った。共に暮らしてきた彼らに感謝の気持ちを込めて。

2021年 3月26日
久慈病院整形外科外来待合所にて

※ 昔、ある友人に「こんなくだらないテレビ見て面白いのか?」と聞いたら「面白くないから見てるんだ」と言われたことがあった。

● なぜネコと車で旅をするのか?
 ネコを車に乗せて走るのは楽しい。
 ネコを乗せるときは何日もかけて出かけるときだから、車内泊のためにフトンを積む。すると、たたんだフトンが丁度車の窓の高さになるので、ネコはその上で寝ることになる。(ちなみに私の車は軽ワゴン。)
 それを見て、後ろを走る車の人はたいてい「かわいい縫いぐるみが置いてあるな」と思う。そしてその縫いぐるみが目を覚ましてアクビをすると「えっ、本物だったの?」とびっくりする。その顔を見るのが、私は実に楽しい。
 特に子ネコが2,3匹じゃれ合っていると、後ろの車は助手席の人と指さしながらにこやかに笑う。そこに後ろの車の人との間になごやかな雰囲気が生まれる、それがとても嬉しい。だから、ネコと一緒に時々旅に出る。

● 能あるネコは爪を隠す
 ネコを車に乗せての移動は、20年くらい前までは毎年のことだった。
 ある時、引越しのため机を載せ、2匹の子ネコも乗せて走っていた。ネコ達は、広〜い机の上で運動会。
 車を運転していれば、ブレーキは踏む。ネコ達は?と何気なくルームミラーを見ると、2匹とも滑ってデーンと机から転げ落ちた。こ、これは面白い!またブレーキを踏む。2匹とも転げ落ちる。
 何回もやっているうちに、1匹はツメを立てなければ滑らないことを学習したらしく、滑らなくなった。しかしもう1匹は何度やっても怖がってツメを立て、デーンと落ちるのである。
 しばらく私はルームミラーを見ながらブレーキをかけては、腹をかかえながら遊んでしまった。

● ネコのせいじゃない
 ある引越しの時、その時は数キロ先への引越しだったので何回かに分けて荷を運んだのであるが、最後の1回を運ぶ時に飼っていた一匹のネコを乗せた。夜中になっていた。
 私は、運転中はネコは決して前席には出さない。ブレーキの下に潜り込まれたら大変だからだ。そう躾けるようにしている。ところがその引越しは急だったこともあって躾けの訓練をしておらず、初めて車に乗せたため、前席に”侵入”してしまったのである。私はとっさに首ったまをひっ掴んで後ろへ放り投げた。上半身をひねりながら。
 後ろから車が1台、迫っているのは知っていた。前を向いた時、私は自分の車のタイヤが路肩から外れかかっていることに気が付いた。そして、そのまま傾いていった。軽ワゴン車が1台分くらいの深さの、浅いU字型の路側に落ちるところだった。私はとっさに「戻ろうとしてハンドルを切れば転がる」と判断し、ハンドルを切らずにそのまま落とした。
 車は何事もなかったように、車の長さの2〜3倍の間隔で植えられた幼木の間にすっぽりと収まり、左右に傾くこともなく止まった。
 後ろの車は、「追い越せるよう避けてくれたのかと思った」そうだ。止まってくれて、近くの交番まで乗せてもらい、レッカーを呼んでもらった。レッカー会社の社長は仕事を終えて飲んでいたらしく、交番から呼ばれたこともあって「息子に運転させて来た」と駆けつけてくれ、その場で1万円で引き揚げてくれた。車には何の異常もなく、そのまま走って引越し先へ帰ったのだった。あれは一体何だったのだろう。

● ミイラ取りがミイラになる
 台所と玄関のある前の8畳部屋と奥の8畳寝室部屋の一軒家に住んでいた頃、ネコに食われては困るものは奥の部屋に入れてネコ出入り禁止にし、前の部屋は玄関にネコの通る穴をあけて常時出入り自由にしていた。私の飼うネコは私が長期不在のこともあるため、与えるエサは最小限にして日中は自分でエサを捕るよう躾けている。だから、ネズミであろうが小鳥であろうがリスであろうが、食えるものは何でも自分で捕ってきて食ってしまう、たくましいネコに育つ。
 ところがそんなネコでもネズミの数に勝てなかったのか、台所をネズミが走るようになった。やむを得ずトリモチ式のネズミ捕りを買ってきて、台所の隅っこに据えた。ネコの健康を思えばさすがに毒エサは使えないからねぇ。
 次の日の朝、台所を「バタバタバタ…」と大きな音を立てて走り回るヤツがいる。「何だ?」と寝室の戸をあけてみると、うちのチビネコがネズミ捕りを背負って必死になって駆けずり回っている。「おまえねェ、おまえがかかってどーすんだヨ!」。そのあと、外すのが大変でした。

● あら、覚えてたのね
 

● クロ、ムク、チャンコ
 

● じいさんのネコ
 

● 「ぎゅ」と「うどん」
 

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